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エンジンオイルの役割

オイルの働きとはどのようなものでしょうか。

潤滑
ピストンとシリンダーの金属同士の摩擦を油膜で減らします。
ピストンとシリンダーの摩擦が多いと、部品が傷ついたり、出力を低下させたり、エンジンの焼き付きを起こす原因となります。
冷却
部品の摩擦熱をオイルにより吸収します。
特に、油冷、空冷は交換時期を守ることで、効果的な冷却を行うことができます。部品の冷却が正しく行われないと、オーバーヒートや焼き付きの原因となります。
密閉
部品と部品の間にオイルが入り込み、エンジン内の圧縮をしたり、燃焼ガスを逃がさないようにします。
密閉効果が少ないと圧縮ガスが漏れて出力が低下することがあります。
防錆
空気、水分から金属部品を守るために必要です。
エンジン内部部品が錆びると、出力低下やエンジンの寿命が縮まります。また、水が混入すると、オイルが白濁し、異常の発見につながります。
洗浄
カーボンやスラッジなどの汚れをオイルに分散させることで、エンジン各部の汚れが堆積するのを防ぎ、清浄に保つ作用があります。
汚れがひどくなるとオイルは黒く変化し、交換時期となります。汚れたオイルは、充分に性能が引き出せなくなります。

オートバイを動かすためにはエンジンオイルが必需品です。エンジンオイルの選択方法は、基本的に車両メーカーが指定する粘度や規格を基準にして選ぶことが必要となります。また、より良い状態で走らせるために、使用状況によっては優れた基油を使用したオイルを選択することが大切です。同じ車両であっても、適正なオイルに交換することによって環境や使用状況によって車両の性能を最大限に発揮することができます。

オイルを選ぶときの粘度は、主にSAE粘度という表記で表されます。

SAE粘度とは

SAE粘度(SAE Viscosity Grades)とは、潤滑油の粘度を定めた「米国自動車技術者協会 Society of Automotive Engineers」の規格です。

表1のように0Wから60までの11段階に番号で表示されます。番号が大きくなるほど粘度が高い(硬い)ことを表しています。また、Wは冬(Winter)を表しています。

表1:SAE粘度段階表

オイルの粘度は、温度によって変わります。従ってオイルの粘度を比較するときは同じ測定温度の粘度で比較しなければなりません。

基準となる温度は、国際的な取り決めにより40℃および100℃となっています。

エンジン始動が可能な外気温度は以下の通りです。
0W:-35℃、5W:-30℃、10W:-25℃、15W:-20℃、20W:-10℃

粘度(100℃時)の関係は、以下の通りです。
20:9.3cSt、30:12.5cSt、40:16.3cSt、50:21.9cSt、60:26.1cSt

通常、それぞれの車両にオートバイメーカー指定のオイル粘度があります。オイル選びは、指定のオイル粘度を基本にして選択することが重要です。

粘度について

その他のエンジンオイルの規格について

エンジンオイルの規格には各協会(協議会)によりそれぞれ定められています。SAE規格の他の主な2つの規格についてご紹介します。

API規格

(米国石油協会)

アメリカの自動車エンジンオイルの代表的な性能規格です。 エンジンの進化や環境問題などを踏まえ、数年ごとに厳しい基準を設けています。

その試験内容は、高温洗浄試験、洗浄分散性試験、耐摩耗性試、防錆性試験などを評価しています。
API規格は、省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などエンジンオイルに必要な性能を設定したもので、ガソリンエンジンオイルにはSAからSNまでの12段階があります。最新のグレードほど基準が厳しく品質が優れています。

SA 運転条件がゆるやかなエンジンに使用が可能で添加物を含んでいないオイル(ベースオイル)
SB 最低限レベルの添加物を配合したオイルで、かじり防止・酸化安定性の機能が改善されている
SC 1964~67年型のガソリン車に、満足して使用できる品質を持ち、デポジット防止性・摩耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている
SD 1968~71年型のガソリン車に、満足して使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている
SE 1972~79年型のガソリン車に、満足して使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている
SF 1980年製以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮する
SG 1989年製以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある
SH 1993年製以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる
SJ 1996年製以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる
SL 2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる
SM 2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐摩耗性に優れている
SN 2010年制定。環境性能おいてより高い基準が設けられた

JASO

(エンジン油規格普及促進協議会)

日本自動車技術会規格(にほんじどうしゃぎじゅつかいきかく)とは、公益社団法人自動車技術会(JSAE)が制定する工業規格で、オートバイを含めた自動車に関わる技術進歩や安全性の確保、ならびに生産の効率化に寄与することを目的としています。英語ではJapanese Automotive Standards Organizationと表記し、頭文字を取ってJASOと表記されています。世界に先行して二輪自動車用4サイクルエンジン油の規格を制定しました。

4サイクルオイルの分類

分類 性能
MA 摩擦特性が高い
  MA2 MAの摩擦特性の範囲内で高域設定
  MA1 MAの摩擦特性の範囲内で低域設定
MB 低い摩擦特性

・二輪車用4サイクル油の性能は、MA、MA1、MA2およびMBの4グレードに分類されます。MA、MA1、MA2およびMBの4グレードは、二輪車用4サイクルエンジンに適合するエンジン油です。

2サイクルオイルの分類

FA 2サイクルエンジンにとって最低限の性能を有する。
FB FAに比べて特に潤滑性、清浄性に優れる。
FC FBに比べて排気煙、排気系閉塞性に優れるロースモークタイプ
FD FCに比べてエンジン高温時の清浄性能を向上させた

・2サイクルエンジンは、潤滑性、清浄性、排気煙、排気系閉塞性を評価し、FB<FC<FDの順に高性能となっています。

オイル交換の必要性

・オイルは密封容器を開封したときから酸化が始まります。エンジン始動の有無にかかわらず、一定期間が過ぎたら交換が必要です。
・エンジン始動による性能低下としては、熱や燃焼ガス、未燃焼ガス、湿気などによって粘度の低下や酸化があります。加えて金属摩耗粉や異物による性能低下もあります。具体的な例でいうと、エンジンオイルが充分に温まらない状態で走り出すことによって水分が溜まり、錆びや摩耗の原因となったり、長時間の高速走行や、高負荷(二人乗り、坂道)走行の頻度により異なります。このような状態を防ぐためには定期的なオイル交換が必要です。交換時期の目安には、次のようなチェックポイントがあります。

簡単なチェックポイント

  • 車両のオイル警告等の表示
  • エンジン音の大きさ
  • 水温計、油温計の数値
  • アイドリングの不調
  • 変速が硬くなったり、「抜け」る状態が頻繁に発生する

思い当たる項目があれば、まずオイルを点検してみましょう。オイル交換で問題が解消される場合もあります。また、エンジンオイルは基本的に車両メーカーが指定する粘度や規格を選びますが、より良い状態で走行するためには、優れた基油を使用したオイルや、使用状況に最適な粘度のオイルを選択することが必要です。

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